【開発中新装備】FH-70後継機、装輪155mm榴弾砲

開発・評価が進む特科隊 新型榴弾砲

「弾着、今!」の掛け声と共に精密な同時弾着射撃を披露し、総火演のオープ二ングから観客のハートを掴む特科隊。

昨年の総火演から特科部隊が誇る「陸上自衛隊最大の火砲」であり『タイホウ』という名前が最も相応しい「203mm自走榴弾砲」を使用した展示は無くなってしまった。装備自体は未だ現役であり、先日の富士駐屯地記念行事の観閲行進で観ることが出来た。陸に限った話ではないが、単体で大きな破壊力を持つよりも素早い機動力と連携力が求められる時代の流れによるものかもしれない。

自走155mm榴弾砲 FH-70

203mm自走榴弾砲のほか、もうひとつ「隊員が車両外にいる状態」で展開・射撃を行う装備としてお馴染みの「FH-70」

トラックに牽引された状態から切り離され速やかに射撃体勢に転換、陸自らしく統制の取れた無駄のない要領で素早い射撃を行った後、自らのエンジンで「砲が自走し」陣地転換する。 FH-70の魅力は「さっと来てパッと撃ってササッと逃げる」をものの数分で行う隊員らの組織力が見どころであり、砲を囲うように全力で動く隊員らの姿が観れる為、隊員のご家族や陸自通にはたまらない魅力を感じる装備でもある。

どうやらそんな「俺たちの」FH-70にも時代の波が来ているようだ

装輪155mm榴弾砲 (写真: 防衛装備庁)

榴弾砲に関する新装備の噂はマニア間の噂話を幾度か耳にした事があるが、これは榴弾砲に限ったことではなく、定常的に装備はまんべんなく進歩してくので驚くことでも無い。そういう噂としか意識もしていなかった

FH-70後継機と噂される「装輪155mm榴弾砲」を初めてた時、正直関西出身でも無いのに「なんでやぁ〜(泣)」という声が出た。

 

性能は格段に上に違いない、それでいい。

ネットワーク対応、負ける気がしない。

装填速度も人の練度では追いつかないレベルで格段に進歩している筈だ。それでよいのだ。

ではこの「なんでや」という寂しい気持ちはどこからやってくるのだ。自問してみると、やはり「人間の姿」が観れるかどうかを気にしたもので、国防に従事される皆様には大変失礼な話かもしれないので、まったく無視されて良い話でもある。

だがそれだけ「俺たちのFH-70」は人が人を惹きつける魅力に溢れた最後の火砲なのだ。

「◯◯が観れるのももうあと数年かもしれない」最近よく耳にするこのフレーズに、ついにFH-70もラインナップされてしまった感は否めない。

今年の総火演では必ずFH-70は登場すると思われます。その時は6人(最大9人)の隊員の動きをくまなく観ていただきたい!と思います。 背のたけ以上のレバーをジャンプしながらキコキコと動かし装填を完了し、装填手が息を合わせて「くるり」と180度反転し、同時にしゃがみ片膝を立てる姿を目に焼き付けて欲しい。

こんな人間味のある装填はFH-70以外には無い!と断言できます。それが「俺たちのFH-70」です。(笑)