【特集】知って学ぼう!習志野分屯基地(後編)

ロングインタビュー:1高隊初の女性幹部 恩田3尉「自衛隊って何なんだろうと答えをもとめ防衛大学校へ。そして女性として。」

前編では第1高射隊新隊員:大川2士へのインタビューを掲載させていただき、爽やかイケメン大川2士の心情や入隊への経緯を伺う事ができました。 つづいて後編は防衛大学校出身、初の女性運用幹部として第1高射隊に配属された恩田3等空尉のインタビューです。 近年、世界的に女性の働きかたが注目されており、現役女性幹部から見た自衛隊の職場環境、また訓練でも見受けられた職人部隊でどのようなご活躍をされていらっしゃるのか切り込んでみたいと思います!それではまいりましょう!

Q:「それでは恩田さん、よろしくお願いしいたします!」
恩田3尉:「よろしくお願いいたします。」

Q:「高射隊を選ばれた理由からお聞かせ願えますか」

恩田3尉:「そんなにたいそうな理由では無いんですが・・・どうしようかなと思って、運用の方に興味があって高射を選んだ経緯となります。」

Q:「防大卒のかたの3大職種と言われているのは、航空機整備、警戒管制、高射になると言われていますが・・・」
恩田3尉:「高射は第1志望が通ったかたちになりました。」

Q:「卒業された時にあなたは高射です!と言われた時はどんな気持ちでした?」
恩田3尉:「ああ、通ったんだーと思いました(笑)」
Q:「めちゃくちゃ自然体ですね!」

Q:「いざ、習志野です!と言われたときはどうでしたか?」
恩田3尉:「やっぱり陸自の第1空挺団のイメージが強かったです。え、空自もあるんだ?的な感じでした。(笑)」

Q:「恩田さんも4月からのご勤務となられていらっしゃるようですが、配属されてからいかがでしょうか」
恩田3尉:「やっと慣れてきたという感じです。最初は何をやっているのか解らない事もありましたが、少しずつ解るようになってきました。 陸上自衛隊でいう後期教育のような期間があり、パイロットのウイングマークのような徽章が高射にもあり、やっとその徽章をつけてペトリオットの運用に携わるスタート地点に立ったという感じです。 まだ部隊に出てから1年も経ってないので・・・(照)」

Q:「女性幹部のかたと伺っておりましたので、物凄くパワフルでベテランのかたがいらっしゃるので、防衛とは!組織とは!統合運用は!みたいな質問を投げるべきかと勘違いをしておりました。 恩田さんとお会いさせていただいて・・・もしかすると若い女性隊員さんとして等身大のご自身のお話を伺わせて頂いたほうが、記事を読まれる方や、自衛隊もありかな?と思っていらっしゃる若い女性に伝わるご意見が伺えそうです。 では大川2士のインタビューのような流れで志望動機・今・未来のようなお話を伺わせていただけますか?」
恩田3尉:「はい!大丈夫です。(笑)」

Q:「それでは入隊経緯から質問に入ります。恩田さんは数年前まで高校生でいらっしゃって、なぜ防衛大学校を目指そうと思われましたか?」
恩田3尉:「そうですね・・・多分中学生くらいの時に東日本(大震災)があって、ドラマの空飛ぶ広報室があって、自衛隊という存在を意識はしたのですが、でも実際自衛隊って何をやっているかといえば理解していなくて、年に1度くらいニュースで災害派遣の報道を目にするような普通の高校生でした。」

Q:「ご親族やご家族に自衛官のかたはいらっしゃいましたか?」
恩田3尉:「いいえ、一人もおりませんし、周囲は女子ばかりの学校でしたので・・・」
Q:「女子高から防大へ!そして今はミサイルマスター! インタビューのタイトルになりそうなご経歴ですね。」
恩田3尉:「はい、そうなんです(笑)、 自衛隊って何をやっているんだろう、私知らないな・・・と思って・・・入ったらわかるんじゃないかと興味を持ちました。 近くに駐屯地があるわけでもなかったのですが、その後防衛大学という存在を知りまして・・・」

Q:「防衛大学校に入学されていかがでしたか?」
恩田3尉:「事前に知識やイメージがあれば自分の想像と同じだとか、ギャップがあるとかで悩んだりするケースもあると思うのですが、自分の場合は何も知らないけれど知りたい、行ってみたらわかるだろうという気持ちでしたので、行ってみて特にギャップのような物は感じませんでした。」

Q:「4年間の寮生活はいかがでしたか?」
恩田3尉:「一日中時間が決まっていて、最初は終わらない合宿をやっているような感覚でした。」

Q:「大川2士にも同期のかたとの関係を伺ったのですが、多くのかたが自衛隊の「同期」という物に一種憧れや美しさのようなイメージをお持ちだと思います。防大生にとっての同期とはどういった存在か教えていただけますか?」

恩田3尉:「最初は一緒に生活をする中でぶつかる事もあったり、意見が違ったり、責めたりなどありましたが、防大だと4年間一緒に過ごしますので、色々な事を経験して乗り越えていくうちに、この人だったら助けてあげよう、この人だったら助けもらえるなと思えるような信頼が築かれていったと思います。それが当たり前の事、同期が困っていたら助けるのが当然で、実際にそういう存在になっていきました。」

 

Q:「今でもご連絡されますか?」
恩田3尉:「そうですね、何かどうしようもなくなったりとか感じたら連絡したり、今は陸海空と離れてしまっている同期から連絡が来たりすると本当に嬉しかったりします。お互いがんばっているんだな、私も頑張ろうと思います。」

Q:「入隊された後、女性として働く環境として自衛隊はいかがでしたか?」
恩田3尉:「私の期は防大が女性を受け入れ始めてから20年くらい経過していましたので、すでに環境も整備されていて理解や配慮もありましたし、上司や教官にも女性がいらっしゃいました。 ですがどうしても(女性はまだ)少数派で1:9くらいの比率ですので、自分達からしっかり発信していかないとと感じました。(女性が)大勢がいれば自分がわざわざ言わなくても変わりに誰かが言うだろうなというような雰囲気になっていたと思います。 主張したいと思うことはしっかり言わないとな、と思いました。」

Q:「自衛隊において、女性だからできる強みのような働き方はありますか?」
恩田3尉:「これは教官のかたに学んだ事ですが、何か特別な事をしなさいという意味では無いのですが、笑顔で挨拶をしなさいとか、とても簡単な事で部隊の雰囲気が明るくなったり、そういう力を女性は持っている。女性を前面に出して仕事をしなさいという意味ではないのですが、女性らしさを持って仕事をしなさいと教わりました。」

Q:「女性が持つ色気を使うのではなく、女性が持つ優しさを兼ね備えた仕事をしなさいという意味で合っていますでしょうか・・・」
恩田3尉:「言葉で表現するのはむずかしいですね。」

1高隊広報さん「恩田3尉が来てから、部隊の雰囲気が良い方向に変わりましたよ。(笑)」
恩田3尉:「私は常に少数派でしたので、今の男性の中に女性が1人というのは慣れているのですが、男性だけの隊に1人女性が来るというので少し気を使っていただいていると思います。」

Q:「1高隊としては恩田さんの配属がすごく良い組織を作る切っ掛けになったという感じでしょうか」
1高隊広報さん「そうだと思います。」

Q:「では、将来のビジョンや、この先後輩になられる未来の女性自衛官にお話を進めさせてください。」
恩田3尉:「女性の先輩方の中でご結婚されて、お子さんを1人ではなく2人産まれて、また戻られて・・・みたいなかたは沢山いらっしゃいますので、大丈夫だよ、自衛隊の仕事と家庭は両立できるよとおっしゃってくれますので、いずれ家庭や子供を持つことになってもバランスを取りならがやっていけるかなと思っています。 今モデルケースになっているかたは前例が無く手探りで両立された世代のかたがただと思うのですが、そういったモデルケースにあたるような方が身近に何人も現れだしている感じがします。」

Q:「では、いま女子高生でいらっしゃったり、いま防大生でいらっしゃったり、もしかするとお父さんが現役の自衛官でまだお子さんは小学生の女の子で、将来はパパみたいになりたいとおもってらっしゃるケースがあったりすると思うのですが、未来の女性自衛官にメッセージをいただけますか?」
恩田3尉:「女性は年々、下の年齢になるにつれて増えてきているなと感じます。女性だからといって全然謙遜する必要はないと思います。 以前の世代であれば男性のみの社会だったと思いますので女性女性と意識される事もあるのではないかと思いますが、私が経験してきた範囲では比率こそ少ないですが、女性だからと何かを言われる事もないですし、意識をする事はなくて、自分のやりたい事ができる環境はすでにあると思います。お待ちしております。」

Q:「現在、高射で女性隊員は恩田さんだけですか?」

恩田3尉:「厚生と通信職種でもう2人おりますので、いま3人おります。」

終始インタビュー中も柔らかい印象を受ける恩田3尉。
この魅力が男性だけだった「職人部隊」に新しい風を吹かし、そしてこれから部隊を牽引する新しい力となることは間違いなさそうです。

Q:「大川2士のインタビューでは新隊員のフレッシュさを、そして恩田さんからは自衛隊で働く若い女性としての柔らかい素顔が見えてくるようなインタビューとなりました。本日はありがとうございました!これからもご任務、がんばってください!」
恩田3尉:「ありがとうございました!」

習志野分屯基地創設55周年記念コンサートが開催されました!

55年の感謝の気持ちを込めた、空の精鋭と地元高校生がお届けする熱きパフォーマンスが実現!

前編・後編の2回に渡りお送りしてまいりました「第1高射隊」特集、いかがでしたでしょうか。前編冒頭でお伝えしました、知っているようで良く知らなかった「地上の航空自衛隊」、そして「習志野の空自」第1高射隊。そして航空自衛隊高射部隊が今まで以上に身近に感じる取材であり、取材班も大変勉強になりました。(皆さんの高射隊への理解がより深まっていらっしゃっていれば本当に幸いです!)

55年前に陸上自衛隊の一部隊として始まった高射隊の歴史と明治から始まる習志野の歴史。そんな長い地域との関係が今月、ひとつの形となりました。

9月29日(日)、船橋市民文化ホールにて習志野分屯基地が隣接する「船橋市」「八千代市」「習志野市」の3市の高校生ら、そして中部航空音楽隊、第1空挺団が集い、習志野分屯基地創設55周年コンサートを開催。今回のコンサートの趣旨は、習志野分屯基地周辺自治体にお住まいの方々への感謝の気持ちと、千葉県の郷土基地(部隊)として、台風15号に伴い甚大な被害に遭われた千葉県にお住まいの全ての方へのエールの気持ちを込めたコンサートに。市立船橋高校と八千代高校からは吹奏楽部が、そして習志野高校からは軽音楽部が出演される「地域と自衛隊」の関係があってこそ実現できた素晴らしい音楽イベントとなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「知って学ぼう!習志野分屯基地」
SPECIAL THANKS TO:
防衛大臣
航空自衛隊航空幕僚監部空幕広報室
第1高射群
第1高射群 第1高射隊
第1高射群 第1高射隊 広報班
習志野分屯基地
船橋自衛隊協力会
自衛隊大作戦フォロワーのみなさん

次は皆さんの街の自衛隊に伺わせていただくかもしれません。

 

 

JSDF in ART   「リロード」   写真:跡部裕彦

 

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